おいしい、と感じるのに「体に必要なもの」「そのときの自分の気持ち」が関係すると書いてきましたが、もうひとつありました。

おいしい、と感じるのに「体に必要なもの」「そのときの自分の気持ち」が関係すると書いてきましたが、もうひとつありました。
「お店の雰囲気」です。
 
以前、六本木に勤めていたときによくランチに行ったタイ料理屋さんがあるのですが、その店舗が古くなって近くに移転したんです。
 
引っ越す前は古い民家のような、茶色っぽい木の建物で、席もロフトがあったりしてタイの古民家のような雰囲気を出していたんです。その趣もよかったんですよね。
 
でも移転後はこざっぱりした明るいカフェのようになってしまって、タイっぽさが薄れてしまいました。
 
お店はキレイにはなったし、味もたぶんそのままおいしいんですけど、なんか味気なくなってしまった感じがします。
 
食べ物を食べるとき、その世界に入るのも大事なんだなと思いました。
気軽にラーメンを食べたいとき、お店の内装が高級フレンチみたいだったらちょっと居心地悪いですよね。逆に、高級フレンチを屋台のイスに座って食べるのも、ちゃんと味わえないかもしれません。
 
「味」って舌だけで感じてるのではなく、目や耳や鼻や触感、たぶん体の全部で味わってるんでしょうね。
 
「おいしい」ってやっぱり不思議です。