切子(きりこ)

「切子(きりこ)」という技術はご存じでしょうか。
 
グラスなどに使われるのですが、外側に色ガラス、内側に透明なガラスと二重構造につくり、削ることによって模様を表す技術です。
 
江戸切子や薩摩切子がありますが、江戸切子は色ガラス部分が薄くて彫る角度が比較的鋭角のため、模様もはっきり出るのが特徴です。
それに対して薩摩切子は色ガラス部分が厚く、彫る角度がゆるやかなため、カット部分の色が「ぼかし」と言われるグラデーションになっています。
 
その切子。赤や青はよく見るのですが、黒って珍しいですよね。それには理由があるんです。
 
赤や青のガラスは向こう側が透けて見えるので、どれくらいの深さで彫っているのかなどがだいたい見てわかります。
でも黒は透けないので、感覚で削るしかないんです。それだけ高い技術が必要になるんですね。
 
黒切子ってシックでステキですよね。
先日甥っこの就職祝いに黒切子のグラスをプレゼントしました。黒切子が似合うステキな大人になってほしいです。